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血の雨―T・コラゲッサン・ボイル傑作選
T.コラゲッサン ボイル

定価: ¥ 1,995
販売価格:
人気ランキング: 534235位
おすすめ度:

発売日: 2000-10
発売元: 東京創元社
発送可能時期:
短編の名手ボイルの初期作品集
ボイルの短編は、小説っていうよりネタに近い。つまり切り口勝負。「血の雨」より後に書かれた短編集「もし川がウィスキーなら」がまさにそんな感じなのだが、そちらのほうは小説としての完成度がアップしている。1974~1985年にかけて書かれたこの初期短編集もネタはなかなか良いが、作品によってはネタばれ後、読むのがちょっとつらいものもある。
表題作「血の雨」、このタイトルと内容から近田春夫のアルバム「星くず兄弟の伝説」2曲目の「ガソリンの雨」を連想してしまった。“明るい絶望感”は2つの作品に共通したイメージだ。1980年前後の時代の空気かもしれない。
目のつけどころが違う!
この本を手にした時、びっくりした。
まるで血糊に浸したような装丁だったからだ。
いざ本を開くと、あっという間に引き込まれた。引き込まれたというよ
り、引きずり込まれたという感覚だ。顔をしかめるような描写もあるし、けして美しい話ではない。しかし、そこかしこにそういう描写があっても、目を離すことができないのは、ボイルのネタの目のつけどころが、他の作家と違ってユニークで面白かったからだ。こういう感覚になったのは、イタル・カルヴィーノ以来だろうか。本当はひとつひとつの作品について書きたいところだが、今回はとにかく面白いということだけ書いておこうと思う。
また、青山南さんの翻訳もとてもよかった。青山さんの豊富なアメリカの知識によって、原書で読むよりもはるかにイメージがふくらんだことは間違いない。








